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「わたしは妊婦」 大森兄弟

大森兄弟さん。男性の兄弟さんのようですね。
なのに、テーマが妊婦って。何かインタビューとか、取材とかして書いたのかな。
主人公は自分が2歳の時に母親が亡くなっているので、頼る人は夫のみ。
ちょっとその環境で育ったことも彼女の感情にいろいろ影響を及ぼしているのかも
しれない。そもそも、この優しすぎる理想の高い夫の何がよくて、結婚したのか、
その結婚に至る過程が書いてないから、いまいち共感できない。

妊婦になったころの気持ちを思い出しながら読みました。
20代、結婚してすぐに転勤で名古屋。たまたま前の職場の上司がいい人で、
名古屋でも仕事を続けられるようにと、夫の転勤に合わせて転勤させてくれた。
両親も名古屋にたまたま転勤していて、子供を産むにはちょうどいいタイミングでした。

初めてだったので、自分の体が変化していくのも不安で、初期は不安定で入院したし、
母がいなかったら精神的に大変だったし、仕事を休まなければならなかったので、
会社の人にも心配されるし・・・でした。

この主人公は、こんな気持ちになるなら、結婚もしなければよかったし、妊婦にならなくても
よかったし、ちょっと共感できない部分もありました。でも今までの自由を奪われるような
感覚になったり、もともと子ども好きではなかったせいか、あまり実感がわかない感じ
ではあったような気がします。必ずしも、妊婦さん全員が「幸せな妊婦」ではないという
ことを言いたかったのかな?

最近は産婦人科も減っているというし、夫の収入も低かったり、頼れる身内もいなかったり、
なにかあったときに救急病院の受け入れがなかったり、出生前診断でいろいろなことが
わかってしまったりと、妊婦さんを取り巻く環境のなかで、不安なことが結構あったりするし、
不妊治療のあと、ようやくなのか、高齢出産なのかとか、仕事を続けるかやめるかとか
みんながみんな同じ状況ではないので、難しいのかもしれませんね。
そんな妊婦さんをとりまく小説。できれば、出産が終わった人におすすめです。

by arinko-mama | 2014-06-10 12:43 | 読書