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「ラスト・ワルツ」村上龍

村上龍さんのこのシリーズのエッセイは何冊か読んできましたが、
だんだんと年を重ねた村上龍さんのいろいろな思いが書かれていました。
特に、友人の死についてはとても悲しい出来事だったようでした。
海外旅行にもたくさん行っていたのに、今はほとんどいかない、
若者には興味がない、TVもあまりみない、新聞も読まないと、
仕事も選んで引き受けるようにしていると、老い支度のような・・・

それでも現在の日本を鋭く見る目は変わっていなくて、
文化的に閉塞感がある感じは、今回のオリンピックのエンブレムの
デザイン問題や、カバーが多く、なかなかCDが売れない現状や、
TVの視聴率があまりよくないことや、少しずつその兆候があらわれ
はじめていて、うなずくことがいくつもありました。

そこでどうするのか、村上さんに一つ提案や意見を聞きたい、
元気づけてほしいところですが、わからない。という結論が多く、
そうか、と考えさせられました。誰もがこういう状態の日本が
初めてで、でも、外国人からすると、日本は割といい国らしいけど、
あまり実感がない感じ。豊かなのに、豊かを感じられない時代なのかな。
むずかしいです。

# by arinko-mama | 2015-09-16 15:03 | 読書

「母という病」岡田尊司

最近、湊かなえさんの「母性」という本を読んだり、
母親が重い、とかいうTVの特集をみたり、いろいろと母親に
悩んでいる人って多いんだなあと知った。

この本も母親との関係がうまくいかない人たちの例をたくさん
あげてあって、読んでいてつらくなった。
特に小さいころ、じゅうぶんな愛情を受けずに育つと、
ずっと不安定だったり、自己否定をしてしまったりするらしい。
そうなんだ~と思ってしまった。

どんな親でも一生懸命子供のことを考えていれば、それを子供は
きちんと見ているけれど、それが過剰だとつらいんですね。
我が家は女同士、自分が子供のころ、どんな気持ちだったか、
時々考えます。そして母ともいろんなことを話して、子育てで
悩むことをいまだにアドバイスしてもらっています。

あれはいけない、こうしなさいと言われるとイライラするかも
しれないけれど、母はそれでいいと思うよ、いい子だから大丈夫と
いつも私を落ち着かせ、安心させてくれているのでうまくいって
いるんですね、私も娘たちに大丈夫、それでいいのよと言って
あげたいなあと思います。

# by arinko-mama | 2015-09-09 22:47 | 読書

「すばらしい日々」よしもとばなな

飼い犬の死、ご両親の死、子供が少しずつ大きくなって離れていく。
生きている間にはいろんなことがあるけれど、タイトル通り、
一日一日が「すばらしい日々」。

今年の3月に父が入院、母は病院通い。命の大切さを知りました。
震災のときにもいろんなことを感じたけれど、もっと身近な現実。
無事退院して、健康に気遣いながら静かに過ごしているけれど、
それ以来、家族の健康、自分の健康についていろいろ考えたりして
いるうちに、痩せてしまったり、不安定な日々が続きました。

6月ぐらいが一番しんどかったけれど、夏休みに入り、みんなが
家にいるようになってから、少し落ち着いて元気になりました。
この家族との日々、一日一日を大事にしていきたい。そんな思いで
いたところ、ばななさんのエッセイがどんぴしゃに同じような
ことを書いてあって、もうほかの作品も全部読もうかな、的な
勢いで、やっぱりばななさんはいいなあと思いました。

# by arinko-mama | 2015-08-15 17:10 | 読書

「変わらないために変わり続ける」福岡伸一

「動的平衡」から時々福岡さんの本を読んでいます。
文系、理系どちらの知識も合わせ持っていて、私には理系の知識が
ないので、わかりやすく(といってもわからないことが多いけど)
解説してくれてる福岡さんの本は少し読みやすいです。

今回は一度滞在していたマンハッタンに再度滞在していたときに
感じたことをエッセイにまとめたもの。
前回のときより、人口も増え、女性の社会進出も進んだとのこと。
街を歩くとゴミは多いし、届くものも届かない、盗難も多い。
アメリカでの単位の違い、文化の違いなど、日本人から見た
アメリカをとてもわかりやすく、面白い視点でみています。

こうやって時間を経て同じ場所にまた住んでみると、社会の変化が
分かって面白いんだろうなあ。そして今の若い人が海外に行かないと
よく言われるけれど、貧乏でもなんでも一度海外に行ってみると
やっぱり日本という国を改めて好きになるし、自分の環境を大事に
思う気持ちがわいてくると思う。

# by arinko-mama | 2015-08-02 12:53 | 読書

「社会不満足」乙武洋匡

乙武さんとネット上でよく目にする方々との対談集。
駒崎さんの保育園の話。NPO法人とは何か、病児保育の問題。
小室さんの共働きの話。堀さんのNHKを退職した話。
などなど。とても勉強になりました。

自分が今いる職場を離れてフリーになったり、仕事を変えたり、
子供を持ったりと、いろんな環境の変化に柔軟に対応できている
人たちは成功しているんだなあと思います。

乙武さんはスポーツライター、小学校の教員、そして大学でまた
学んでいたりと、自分の思うが儘、いろいろな経験を重ねています。
そんな柔軟な職場の変え方がみんなできるといいのにな、と思います。
自分の仕事に楽しく、生きがいをもって取り組める環境があると、
日本の幸福度が上がると思うのですが。

# by arinko-mama | 2015-07-29 16:33 | 読書