「問いのない答え」 長嶋有

エキサイトブログが10周年とのこと。
私がスタートしたのは、2004年の5月。ん?同じく10周年か~。
最近はもっぱら読んだ本の感想のみになっていますが。

長嶋有さんの本、「夕子ちゃんの近道」とか、「ジャージの二人」とか
好きです。この本はツイッターでつながっているたくさんの人々を
描いているので、登場人物の多さに、一度あきらめて他の本を読んでいた
のですが、やっぱり長嶋有さん、あきらめきれずにもう一度、昔ミステリで
やっていたように、登場人物をメモして、それをみながら読んでみました。
ようやく読めたし、とてもいい本じゃないですかぁ~~~。

ここ10年、私もブログを始めたり、ネットを日常で使うようになりました。
いろんな疑問は掲示板や知恵袋で解決したり、レシピを検索したり。
同じようなことを思っている人が世の中にたくさんいることがわかったり、
震災のときにはTLをみながら涙を流すこともありました。ちょっと前の
ことを考えると、不思議な光景ですね。

現実ではいろんなことが日常におきているけれど、そんなことをしながら、
一方でネットの世界でもこの本の登場人物のように言葉遊びをしたり、
遠くのあったこともない人にあいさつしたり会話したりしている。そうして
自分自身を保っているんですね。秋葉原殺傷事件の加藤容疑者の
ことが途中ででてくるけれど、そんなネット上の掲示板に言葉を残した
加藤容疑者のことも、いろいろ考えてしまったり、震災のことを思い出したり。

ゆるーくつながっているこのSNSの人間関係がとてもよく表れている本
だし、朝井リョウさんの「何者」もそうだけど、これからは小説にSNSや
スマホや、オンラインものがたくさん登場するのかな。昔の作品もいいけど、
これからどんなふうにこういう題材が登場するのか、楽しみです。
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by arinko-mama | 2014-06-30 13:33 | 読書

「四十九日のレシピ」 伊吹有喜

映画にもドラマにもなっていたんですね。
最近、親戚が若くして亡くなって、いろんなことを考えていた時期だったので、
読みながらまた思い出したり、登場人物のセリフにうなずきながら読んだりと、
時間がかかりました。が、とてもいいお話でした。

残された家族にとって、亡くなった家族のいろいろな思いや行動の意味が
分かるのは、後になってから。
こんな形でレシピとして残すなんて、とても素敵な方ですね。
そして、リボンハウスの子どもたちにいろいろと教えていたというエピソード、
それをどこかで忠実に行動に移しているだれか。
私たちの社会は、みんな誰かが誰かの恩恵を受けて成り立っているという
話がとてもよかったです。

身近な誰かが亡くなり、お葬式をしたり、四十九日の法要をしたりすることで、
初心に帰って、生きている意味を参列した人が考えるいい機会なんですね。
そんなことも考えたり、子供がいる私は、何を子どもたちに伝えてあげているのか、
といろんなことを考えました。繰り返しますが、とてもいい本でした。
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by arinko-mama | 2014-06-28 21:54 | 読書

「ローズの小さな図書館」 キンバリー・ウィルス・ホルト

図書館という言葉がタイトルになっていると、いつも手にとって
しまいます。どんなお話なんだろう?と。

ローズはお父さんが失踪、お母さんと他の兄弟とともに、おじいちゃんが
住むまちへと移り住みます。長距離を運転するので、途中でお母さんが
ローズに運転を交代するように指示しますが、ローズはまだ14歳。
しかも新しいまちで移動図書館の車の運転手をして働くように言われます。

いきなりマニュアル車を運転することになるローズ。
え~~~!!っという感じですが、なんとかなったと書いてあって、びっくりです。
このローズの話が面白かったのですが、その後、ローズの子供たち、孫たちと
世代交代して、図書館や本にまつわる話が続きます。

こうして図書館や本はいろんな人の人生に影響を与えるんですね。
いろいろな本が世界に翻訳されているので、グローバル化社会、これからは
世界の人々と同じ本について語り合える日がきそうです。(もうきてるのかな)
70代になって、自分のことを書いて、作家デビューするなんて、素敵です。
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by arinko-mama | 2014-06-28 17:21 | 読書

「何者」 朝井リョウ

上の娘が朝井リョウさんの作品をいくつか読んでいて、この作品で直木賞を
とったということで読んでみたものの、就活がテーマだったので、全然わかんないと
挫折したようです。

今の大学生の就活って、ツイッター、フェイスブックなんかが絡んで、こんな感じ
なんですね。一つ一つの設定が細かくて、よくこんなにパターン考えられるな、
書きこみそうなつぶやきをこんなに考えられるなぁと、感心!!

私たちの就活の頃は、こういうのなかったから、日記とか、メモとかに書いてて、
人に見られたりすることはないし、内定決まってても口にすることもないし、
人と人とのやりとりを読んで傷つくこともなかったから、探り合いみたいな感じで
いろいろ聞いてみたり、何も分からなくて悶々としたり、結構孤独な戦いだったような
感じがします。

でも自分自身を見つめ直すいい機会だったし、本気で働くということを考えたり、
既に社会で働いている先輩たちがすごくカッコよく見えたり、勉強になる時間
だったなあと思います。選ぶ人事の人たちも大変ですよね。実際入社してから、
エントリーしてきた人を何人か面接したりしたけれど、人を評価することって、
とても大変だなあと感じたのを覚えています。

この作品は、就活だけがテーマではなくて、ネットのこういう環境で、人間関係
築くのって大変そう。裏アカウントの存在にはびっくりしたし、本音と使い分けて
友だちにも自分の気持ちを正直に言えない雰囲気はつらいですね。
若い人たちは最近お酒を飲むこともしないようなので、その辺イライラしたり、
精神的にきつくなかったりしないのかな。と想像します。
それにしても、朝井リョウさん、おもしろかったです。
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by arinko-mama | 2014-06-27 00:07 | 読書

「ポジティブの教科書」 武田早雲

親戚が亡くなったり、中3のお姉ちゃんの部が県大会に進めなかったりと、
残念な出来事が続いたこの春だったので、これから高校受験生を抱える
母として、もうどうやってポジティブ思考にしていけばいいのか、
日本も人口減少とか、増税とか、サッカーは負けるわ、楽天は最下位だわと
全然いいことないのに、前向きになんてなれないよという気分・・・

それでも武田さん。とにかく毎日家があって、家族が健康で、眠る場所が
あって、毎日安定した生活を送ることができる。万々歳じゃない!ということ。
そうそう、震災があったときも、どれだけ当たり前の生活がこんなに素晴らしく
ありがたいことなのかと感謝、感謝だったじゃない。
と思い返した。すぐにお先真っ暗に考えがちな私たち。もう少し気を楽にしないとね。
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by arinko-mama | 2014-06-23 13:07 | 読書

「希望論」 濱野智史、宇野常寛

日本のジレンマなどでおみかけする二人の対談。
古市さんの著作「絶望の国の幸福な若者たち」で、日本は不況でどん底のように
言われているけれど、そんな中でも若者たちは意外に幸せなんだよ。ということを
知りました。ネットでいろいろなつながりができてきて、いろんな働き方ができて。

この二人の論調もそんな感じなのかな。希望はあるよ。
ネットをこれからどう活用していくのかっていうことなんでしょうね。
小学校のクラスという限られた箱の中で空気を読むことばかりを学んできた子供
たち。これをとっぱらって、低学年のうちから、クラブ活動をして、クラブも2つ以上
選択することができたり、嫌だったら途中で変更することができたり、携帯による
コミュニケーションも禁止するべきではなく、むしろ多様なコミュニケーションの
ツールとして、もっと奨励するべきという考え方でした。

私もそうでしたが、転勤族なので、小学校も中学校も高校もたくさん経験して、
クラスのメンバーが流動的でした。でも同じ地域で、同じメンバーでずっと一緒だと、
自分のキャラとかが固定されて、息苦しくなることもあるでしょう。そういうのは
今考えるとちょっと大変かもしれませんね。かかわる人たちがほとんど固定して
いるということ。我が家の子供たちは先生も友達も習い事もみんなごちゃごちゃ
変わって流動的だから、それがいい刺激になって自分のコミュニティを探していく
能力には長けているかもしれません。面白い本でした。
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by arinko-mama | 2014-06-23 12:44 | 読書

A Chanukah Noel

tumble booksで絵本を読みました。
ほとんど基本的な英文で読むことができましたが、時々分からない単語がでてきたので
調べながら読みました。音声を聞きながら目で英文を追いながら理解していったの
ですが、つっかえると、一時停止して意味を調べています。
少しずつ英文を英文のまま理解できるようになってきたかな~??まだまだか。

ユダヤ教のハヌカという行事について知ることができ、宗教上の話だったので、
とても勉強になりました。日本ではみんなクリスマスを祝ったり、特に宗教によって
なにか習慣が違ったり、考え方が違ったりすることがないので、海外に住むことで
初めてそのことを知る人も多いと思うけれど、外国人と接することがこれから増えてくるし、
小さい子どもたちにも宗教上の話はきちんと伝えていくべきなのでは、と思いました。
この話も少女の心の動きがとてもよくわかって、少女の気持ちが両親たちの心を動かし
ていく過程がよかったです。

(1304語)
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by arinko-mama | 2014-06-23 11:45 | 多読

「愛の夢とか」 川上未映子

川上未映子さんの作品はエッセイがとても好きで、彼女の書く文章のリズム
が独特で好きで。でも「ヘヴン」は長そうで、暗そうでなかなか手が出ません。

これは短編集で、どの作品も印象に残る余韻の残る読みがいのあるものでした。
中に、有名な作家さんが亡くなって、それを読んでいる人が電車で「残念です」と
話すシーンがあるんだけれど、こんな風に本のことを電車の中の初対面の人と
ちょっと話して、何事もなかったようにじゃあ。という感じで別れることができたら、
いいなあ、と思いました。

表現の仕方がとても素晴らしく、静かな感情なのに、押し寄せるように言葉が
どんどん、どんどん、迫力を増してまとわりつくように迫ってきます。
想像力全開で、頭の中フル回転で川上ワールドに引き込まれ、短編なのに
長編を読んだような程よい満足感にしばらくひたり、そしてまた次の話に
行くのがなんだか楽しみで。よく次から次へとこんな話が書けるなあとただただ
感心、感動です。
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by arinko-mama | 2014-06-21 21:14 | 読書

「やらなきゃゼロ」 鈴木直道

財政破たんした夕張の市長になった鈴木氏の自伝。
母子家庭で進学をあきらめたけれど、学歴をみないで採用する都庁の試験を受け、
その後、社会人になってから法政大学に通い、4年間で卒業。
ボクシング部の主将も務めていたというところがまたすごい!

東京で、結婚してこれから新しい生活が始まるというときに、
夕張に行くことを決意。奥さんも応援してついてきてくれたという。
これもすごい!

仙台に転勤して、寒い、寒いと縮こまっている私など、比較にならない。
こんな奥さんにはなれそうにないなあと思ったり。
鈴木さんの行動力、人柄、みんなをまとめる力、睡眠時間を削ってまで
いろんなことをやる情熱、ハンパないです。

夕張はこれから先大変だと思うけれど、こんな市長さんがきてくれたら、
希望がもてますね。若い人はたくさんこの本を読んで勉強してほしいです。
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by arinko-mama | 2014-06-16 22:35 | 読書

「わたしは妊婦」 大森兄弟

大森兄弟さん。男性の兄弟さんのようですね。
なのに、テーマが妊婦って。何かインタビューとか、取材とかして書いたのかな。
主人公は自分が2歳の時に母親が亡くなっているので、頼る人は夫のみ。
ちょっとその環境で育ったことも彼女の感情にいろいろ影響を及ぼしているのかも
しれない。そもそも、この優しすぎる理想の高い夫の何がよくて、結婚したのか、
その結婚に至る過程が書いてないから、いまいち共感できない。

妊婦になったころの気持ちを思い出しながら読みました。
20代、結婚してすぐに転勤で名古屋。たまたま前の職場の上司がいい人で、
名古屋でも仕事を続けられるようにと、夫の転勤に合わせて転勤させてくれた。
両親も名古屋にたまたま転勤していて、子供を産むにはちょうどいいタイミングでした。

初めてだったので、自分の体が変化していくのも不安で、初期は不安定で入院したし、
母がいなかったら精神的に大変だったし、仕事を休まなければならなかったので、
会社の人にも心配されるし・・・でした。

この主人公は、こんな気持ちになるなら、結婚もしなければよかったし、妊婦にならなくても
よかったし、ちょっと共感できない部分もありました。でも今までの自由を奪われるような
感覚になったり、もともと子ども好きではなかったせいか、あまり実感がわかない感じ
ではあったような気がします。必ずしも、妊婦さん全員が「幸せな妊婦」ではないという
ことを言いたかったのかな?

最近は産婦人科も減っているというし、夫の収入も低かったり、頼れる身内もいなかったり、
なにかあったときに救急病院の受け入れがなかったり、出生前診断でいろいろなことが
わかってしまったりと、妊婦さんを取り巻く環境のなかで、不安なことが結構あったりするし、
不妊治療のあと、ようやくなのか、高齢出産なのかとか、仕事を続けるかやめるかとか
みんながみんな同じ状況ではないので、難しいのかもしれませんね。
そんな妊婦さんをとりまく小説。できれば、出産が終わった人におすすめです。
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by arinko-mama | 2014-06-10 12:43 | 読書