「岸辺の旅」 湯本香樹実

a0020440_1352374.jpg
「夏の庭」「ポプラの秋」「春のオルガン」など、
子どもの視点で描かれた、湯本さんの作品が好きです。
今回の久々の新作は、大人の世界でした。

失踪したと思っていた夫が、ある日突然家に戻ってくる。
でも、実際には自分は病気で(うつ病のよう)亡くなっている。と語り、
その後二人は夫が亡くなってから訪れた場所を旅していく・・・

亡くなった後、生前は語り合えなかったことを話したり、知らなかったことを
確認したりすることは実際できないけれど、この夫婦はそれを旅しながら話す。
でもなぜ亡くなったのか、深く問い詰めることもしないし、いたって穏やか。
それは時間が経ったせいなのか、もう亡くなってしまっているからなのか、
それとも、やはり二人の間には少し距離があったのか・・・

漂うような死者と生者との交わりを、静かに美しい文体で描いていて、
不思議な夢をみているような感覚でした。
[PR]

by arinko-mama | 2010-03-16 22:34 | 読書

「リテイク・シックスティーン」 豊島ミホ

a0020440_2383243.jpg
27歳の孝子が16歳の頃に戻ってくる・・・
設定が変わっていて、ドキドキしました。
登場人物だけさらっとみて、吹奏楽部の話かな。などとのんきに考えていたので、
あ~それでリテイク・シックスティーンなのね。と当たり前のことに気づく・・・

お弁当誰と食べるとか、バスの席決めとか、あ~懐かしきあの頃・・・
ちょっとしたことで、クラスの中の友達関係とかが一変したり、部活動の中の
人間関係がぎくしゃくしたり・・・でもそんなふわわん!とした中でも、
自分の進路とかはきちんと決めていかなくちゃいけなくて、家庭の事情もそれぞれで。
高校自体、受験して入っていると、そこが自分の本当に行きたかった高校では
なかったりすると、ますます複雑だったりして・・・あ~めんどうくさい時期。

進路や選択した科目で、2年生ぐらいからクラスが変わっていくんですよね、
同じもの選んでないと、仲のいい友達とは違うクラスになっちゃう。悲しい~~!!
私は音楽か美術か、の選択で、絶対音楽!がよかったのに、美術になっちゃって、
もう音楽の授業を受けてる人がいる裏で苦手な絵を描かされていることが本当に
イヤだったです。ちょっとしたことで、ブーーーーですよねっ。

ま、でも結局いろんな経験をしたからこそ、今の自分があって、なんとか育児を
こうやってして、この地で生活しているわけで・・・
読み終わったあと、側で寝息をたてている娘たちはこれから青春時代を迎えるのか
と思うと、急にいとおしくなって、いろいろ応援してあげないといかんなあ。としみじみ
思った母でございます。
[PR]

by arinko-mama | 2010-03-12 23:20 | 読書

「ゆとろぎ イスラームのゆたかな時間」 片倉もと子

a0020440_21304954.jpg
イスラムというと、テロや紛争、といったイメージしかなくて、今回は、
「ゆとろぎ」という言葉が「ゆとり」と「くつろぎ」を足して、「りくつ」を抜いた片倉さんの
造語であることを知り、興味をもちました。

イスラムではラーハ=ゆとろぎという概念があって、必ずしも労働ではなく、
大人として詩を読んだり、祈ったり、学んだり、ごろんとしたり、知人と交流したり、
ゆっくりとお茶を飲んだりという時間が大事だという考え方のようです。

実際に外国に行ってみると、考え方や習慣が日本とは全く違うことが
あるんですね。書物で読むことはできるけれど、今回のイスラムの話では
薔薇の香りの水を玄関で浴びると歓迎の意味を表すとか、香りに関する話が
あって、香りは実際に行かないと分からないなあ~。とふと思いました。
日本にも日本の香りというものがあるのかしら???
イスラムの人が日本にきたら、ずいぶんみんな忙しく働いているなあ、
もっとゆっくりとした時間を過ごしたらどう?などと思うのかもしれませんね。

あと、必要以上に物を増やさないとか。これも見習うべきところですね。
日本の経済は今とにかく消費を増やすことばかり・・・休日を増やすというのも
結局は観光で消費することですものね~。みんなでのんびりして国があまり
発展していかないのと、みんなで忙しくして、成長していくのとどちらがいいのかな。
なんていうことを考えてしまいました。とても興味深い一冊でした!
[PR]

by arinko-mama | 2010-03-11 21:33 | 読書

「活字たんけん隊」 椎名誠

a0020440_21552575.jpg
取材で100か国ぐらい旅をしているという椎名さん。
その経験の量もすごいし、好奇心から手に取る本の数々・・・すごい!
ワンテーマに関しての知識が次から次へとでてきて、紹介される本がたくさんで、
どれもとても面白そう!
早速図書館の検索にかけたけれど、古い本もあるせいか、全然ないのです・・・
残念だなあ。せめて蔵書の分だけでも読んでみようかな。

スリッパ問題については、日高敏隆さんの「春の数えかた」が登場して、
最近読んだばかりの一冊だったので、なんだかうれしくなりました。
椎名さんが読んでいる本と同じものを自分が読んでいたことがただうれしい。
私はどうもスリッパが身につかず、ホテルのトイレではいたスリッパをそのまま
はいて出てきちゃったり・・・。ねーねの小学校でスリッパに履き替えるのも
いちいち面倒くさいですね。靴箱があるのは日本独特のものなんですね。

あと、お墓の話。韓国のドラマで、自然に近い小さな山のようなものが
お墓だったりして、国によっていろいろなんだと知りました。
日本のお墓参りは命のある草(雑草)を抜き、切ったお花を添えるの?と
椎名さんの知人の外国人女性が質問してきたそうです。
日本ではお墓の周りを掃除してきれいにすることが美徳で、更に
お花を飾ることで供養の意味があるのだと思うのですが、
生命の「命」ということで考える人々もいるのですね。
それから、都会の真ん中に墓地があるのも他の国にはあまりない光景だそう。

面白い本の話がたくさん出てきて、とても楽しかったです。
このシリーズは4部作で、これが最終だそうなので、前のも読もうかな。
[PR]

by arinko-mama | 2010-03-08 22:14 | 読書

もうすぐ幼稚園

もうすぐ下の子が入園です。
上の子の幼稚園は割と大きくてお勉強系幼稚園だったので、
手作りの小物もたくさんあり、母にほとんど作ってもらったりして、大変でしたが、
下の子の幼稚園はあまり準備するものもなく、園で使うものについても、
「おうちにあるものがあったら買わなくてもいいので、言ってください。」と
いう感じで、そういえば、ねーねの粘土板や粘土ケース、粘土べら、
はさみ、上靴入れなどはあるなあ~と思い、買いませんでした。

制服も途中でお引越しの可能性が大なので、お下がりがあれば
それを。ということをお話して、幼稚園の方で対応してもらえました。
節約できるところは節約しましょうという時代の流れなのかもしれませんね。

お勉強は、ベネッセを姉妹でとっているのですが、それプラス、
がんばる舎というところの教材をやってみようかな。と思っています。
あとはヤマハの赤りんごを1年やってとてもよかったのですが、お休みして
幼稚園に入ってからまた何か習い事を考えようかな。と思っています。

上の子のときは、幼稚園がどんなところなのか、まったく分からず、
不安がいっぱいで緊張していたようなところがありましたが、
ねーねで経験済みなので、どうにかなるでしょう。といった感じです。
そのせいか、早く幼稚園に行きたいなあ~とのんきな下の子です!
今週はまた雪が降るとか・・・。春が待ち遠しいです~
[PR]

by arinko-mama | 2010-03-07 19:18 | 第2子

「チッチと子」 石田衣良

a0020440_15123782.jpg
作家のチッチとカケルくんの話。
チッチの奥さんのママッチは交通事故で亡くなった。
その悲しみを乗り越えながら、二人は懸命に生きている。
チッチの職業が作家なので、作家さんの実情がとてもよくわかり、興味深かった。

夫婦二人いると、子どもが眠ってから、仕事の悩みや子育ての悩みなどを
二人で相談したり、話したりするかもしれないけれど、
父・子二人だけの生活となると、相手が暗い顔をしていれば、気になるし、
結局子どもにいろんな悩みを話したり、精神的に助けてもらうことが多くなるの
だなあ。と思いました。それで子どもがとてもしっかりするんですね~。
チッチとカケルくんが助け合い、慰めあい、ともにママッチのことを思う気持ちが
とても素敵で、感動的でした。

幸せな家庭をもち、自分の望む仕事をしながらも、何か物足りない気持ちだった
というママッチ。そういう気持ちになる人もいるのだな。と結局理解できないまま。
ママッチの気持ちを小説にして、またかいてくれないかしら???
[PR]

by arinko-mama | 2010-03-06 15:20 | 読書

「沖で待つ」 絲山秋子

芥川賞受賞作ということで難しそうという先入観があったのですが、
とても読みやすかったです。
「沖で待つ」は博多も出てくるので、言葉や場所などを思い浮かべることもでき
親しみがもてました。福岡で働いたことのある人はぜひ読んで欲しいです。

同期入社で入った男女の友情を描いているのですが、
新人で働いていたころを思い出して、懐かしかったです。
私は営業ではなかったので、ここまでの深い絆はなかったのですが、
営業に配属された同期の友人は、やはり同じ課の結束が強く、
仕事をやめた今でもまだ連絡をとりあったり、会ったりしているようです。
ちょうど時代設定や年齢も自分たちの頃で、共感できるところが
多かったです。もうひとつの「勤労感謝の日」も好きでした。
[PR]

by arinko-mama | 2010-03-04 11:18 | 読書

「「塩」の世界史」 マーク・カーランスキー

a0020440_23542622.jpg
TVでクイズ番組をよくみるのですが、正解する人ってどういう本を読んで
いろんな知識を身につけているんだろう?といつも思います。
この本はそんな雑学をよく知っている人が読んでいそうな一冊でした。

「塩」がどのように作られて、そしてどのように使われてきたか、
昔にさかのぼって、世界の各地の塩の歴史を膨大な資料からまとめたものです。

大草原の小さな家シリーズを読んでいると、豚や魚を保存するのに塩を使って
いることが多いので、塩が生きていくうえでは欠かせないものだったのだという
ことは理解していました。

人間がどういう過程を経て、塩に関する知識を得、そして食糧を保存する方法を学び、
その後、びんや缶に詰めることでも保存ができることを知ったりしたのか。
いろんな歴史があって、今の私たちの生活があるのだということがすごいなあ・・・と
ただただ感心するばかり。

サラダ、ソーセージ、サラミ、サラリーなどの言葉が塩からきていること、
アメリカでの現在の塩の使い道、第一位は道路の凍結防止であること、
19世紀に比べて20世紀は塩の消費量が減少していることなど、
たくさんへぇー、へぇー、ボタンを押したくなるような豆知識にあふれていました。
[PR]

by arinko-mama | 2010-03-02 00:15 | 読書