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「神の子どもたちはみな踊る」 村上春樹

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新作が発売前にもうすごい人気の村上春樹。海外にもその人気が・・・。
昔何冊かまとめて読んで、何年か前に読んだのが「アフターダーク」。
なんでそんなに人気があるのかな?と改めてこの短編集を読んでみました。

短篇なのに、一つ一つが長編であるかのように、内容が濃くて、
印象に残る作品でした。
再読するのはあまり好きではないのですが、これはもう一回読み返したくなるような
フレーズが詩的で、いろんな知識と引き出しがある人なんだなあ。と改めて
感心させられました。ちょっと感想をうまくかけない自分がいます。
追いついてないんでしょうね~(笑)

事実、ジャズに関する知識もないし、ジャック・ロンドンの「たき火」も
ドストエフスキーの「白夜」も読んだことがない・・・
そういった好奇心を刺激するような本が最近あまりないので、
なんだかうれしくて、どんな音楽なんだろう?どんな本なんだろう?
と想像させてくれた時間に感謝です。
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by arinko-mama | 2009-06-30 01:13 | 読書

「薬屋のタバサ」 東直子

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母親が当時流行っていた「奥さまは魔女」と同じタバサという名前をつけた男性。
薬屋を営むタバサと一緒に暮らし始めた由実。
ただし、記憶がおぼろで、自分がなぜこの町にきたのかという理由が分からないまま。

裏庭の草を薬に用い、薄い薬方紙を一枚ずつめくりながら、調合した薬をつつむタバサ。
その薬を飲んだ患者がやがて一時的に元気になったかと思うと、亡くなってしまう。
タバサへの謎は深まるが、彼を慕って薬を処方してもらう客は多く、由実も彼の魅力に
ひかれていく・・・。

母親の供養のために、3色の豆を似て、それを池に投げるという、儀式めいたことを
するシーンがありますが、タバサと由実の間で交わされる会話と、その儀式の行為の
流れるような表現がとてもきれいで、不思議な世界でした。

最後まで、いろいろな謎は分からないまま、夢をみているかのようにふわふわと漂うまま、
物語は終わってしまいます。余韻が残り、この後、どうなるのか、先が読みたくなるような、
なんだか魅力のある文章でした。
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by arinko-mama | 2009-06-29 01:32 | 読書

「現実入門」 種村弘

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「小説宝石」の「ふるふる初体験」という連載をまとめたものだそうです。
独身、一人暮らしの著者。
今までまだ体験したことのないことを体験してレポートにまとめていく。という形式を
とっています。
合コン、健康ランド、献血、競馬、占いなどなど・・・
私も献血はまだやったことがないので、興味深く読みました。

あの十字マークのついた狭い車の中で何が行われているのかと思うと、
なんだかあんまり行きたくない感じ。
女医さんや女性の看護士さんしかいなくって、子連れでも
行きやすいようにしてくれたら、献血もおしゃれにできるかもしれないんだけど。

種村さんが一日お父さんを体験する話があるのですが、自分が子どものおみやげに
買ってきたペッツの顔について、オレンジの熊とピンクの豚と表現しているのは、
プーさんとピグレットではないかと思うのですが、子どもに縁のない人は
名前も知らないのか・・・と、驚きました。そうかもしれませんね・・・
私も知らない世界がいっぱいありますもの!!
ユーミンの歌詞がちらちら出てくるのが、ファンとしてはうれしかったです~。
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by arinko-mama | 2009-06-26 15:06 | 読書

「氷菓」 米澤穂信

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角川夏の100冊にはいっていました。古典部シリーズ。いいですね~!
ちなみに角川夏の100冊のうち、私が読んだ!と確信できるのは9冊・・・
少ないですね~。いろんなの読まないとなあ~。と思いました!

角川文庫というと、中学時代の角川映画。
ユーミンもこの前のラジオで映画音楽特集をしたときに、いくつか角川映画の曲を
作らせていただきました。その映画の主役の女優さんのキャラクターを想像しながら
作る。という話をしていました。懐かしいですね~。

そんな中学校時代を思い出すような、学園もの。いいです~~。
古典部。といっても、部員は4名。この4人がとても楽しそうに謎に取り組んでいて、
キャラクターもしっかりしていて、なんだかいい感じの雰囲気。
また続きが読みたいな・・・と思わせる一冊でした~。
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by arinko-mama | 2009-06-25 14:24 | 読書

「君が降る日」 島本理生

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「君が降る日」「冬の動物園」「野ばら」の3つ収録。読みやすかったです。
ひとつ前に読んだ「あなたの呼吸が止まるまで」は少し?と思ったけれど、
今回はやっぱり痛くてせつなかったけど、入りやすかったです。

主人公が自分の気持ちに従っているか分からないけれど、その場の感情に
流れるままに動いていて、あとであ~私はこうしたかったんだ。と気づいたり、
後悔したり・・・。私だったら、と考えると、理性がまず働くから島本さんのかく
主人公のようにならない=ドラマにならない。か~(笑)

大学生で一人で博多まで新幹線に乗り、ホテルに泊まって男性に会い、
その後その人の家に泊まる(「君が降る日」)とか、
高校生で男友達の家に入ってビールを飲み、帰宅が遅くなってベランダから
家に入ったり、その妹は高2で妊婦に。(「野ばら」)

やわらかでせつない文体に引き込まれますが、やっていることは結構すごい。
ちょっと年上の世代の私からすると、こんな娘だったら困るし。(笑)
流されるまま生きるのもいいけれど、もう少しきちんと自分を大事にして
欲しいものです。こういう若い人たち、結構多いのかな??
20代だったら共感できたかもしれないかな??といろいろ考えました~。
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by arinko-mama | 2009-06-23 19:58 | 読書

「夜の鳥」 トールモー・ハウゲン

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基本的にハッピーエンドが好きな私ですが、この本はなかなかそうなりません。
現実ってきっとこんな感じなんだろうなあ・・・

中学校の教師として働くお父さんは、生徒が怖いといって、仕事をすることができない。
ふらーっと出て行ったまま帰ってこない。精神科のお医者様のところにもなかなか行かない。
近所の人に会うのが怖い・・・ともいう。
一方、お母さんはなかなか決めることもできずに帰っていくお客を相手に、好きでもない
ブティックで働いている。自分の夢は別の場所にあるのに、夫は精神的にまいってしまっていて、
家に帰っても疲労感が漂うだけ・・・

そんな両親と一緒に暮らすヨアキム。夜になると、鳥がざわめく。
将来、自分の家族はどうなってしまうんだろう・・・と不安でいっぱいなのだ。

小さい頃、両親がちょっとしたことでケンカをするのをみるだけでもとても悲しい気分に
なったのに、ヨアキムのような両親だったら辛すぎる。
ヨアキムには自分の不安を話したり相談できる兄弟や友達や大人もいない。

「自分が何人もいたらと思うことがあった。ただ、「今日はきみたち三人と遊ぼう」と言うだけで、
もう三人ヨアキムがふえるのだ。そしたらどんなに楽しいだろう。 みんなよく似てるので、
ケンカすることもないし、同じ遊びをしたがるし。」
という一文が一番心に響いて、泣きそうになった。

大人になってからも、こんな風に思う人って、結構多いかもしれない。
自分の身のまわりの環境がつらすぎて、それを口に出すことができないまま、
不安を抱えて孤独に生きる。家に帰っても楽しくないし、かといって、正直に語り合う友もいない。

この後、家族はどうなっていくのか。続編は図書館にないみたい。いつか読んでみたいなあ。
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by arinko-mama | 2009-06-23 03:20 | 読書

「やかまし村の春夏秋冬」

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「やかまし村のこどもたち」の続編。
登場人物が同じで、前のお話と少しずつリンクしているところがあって、
楽しめました。
今回は一番小さい女の子のエピソードが、我が家の下の子と似ていて、
とてもかわいらしかったです。
子どもというものが本当によく分かっていて、すばらしいです!

そして、四季おりおりの自然いっぱいの環境で、自由にのびのびと
好きなことをして走り回る子どもたち。
長いスキーにみんなで一緒に乗って登校したり、子羊を学校に連れて行ったり、
エイプリルフールにクラス全員で先生をだましたり・・・
周りにいる大人も、もし日本だったらすごく怒ったり、心配したり、問題になったり
しそうなことなのに、一緒に笑ってくれる。その後できちんと話をする。

昔の日本の子どもたちはこの子たちに近かったのに、
いつの間に、こんなに生きにくい、遊びにくい社会になってしまったのでしょう・・・
娘の学校では、廊下では一切話をしてはいけないそうです。
休み時間になると、静かに昇降口から外に出てから、元気に遊ぶそうですが・・・
なんだか規則規則でしばるのも、かわいそうな気がします。
3年生になるまでは自転車に乗ることも禁じられています。不思議ですよね~。
グチになってしまいましたが、やかまし村のこどもたちがただひたすら
うらやましいなあ。と思った母娘でした・・・
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by arinko-mama | 2009-06-21 22:32 | 映画

「壊れる日本人」 柳田邦男

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我が家はまだカーナビをつけていません。
いつも地図を片手に、初めての場所に四苦八苦しながらたどりつきます。
柳田さんが旅先でレンタカーをしたとき、設定済みのカーナビに従うことなく、
自分の行きたい道を行ったところ、カーナビがしつこく左折、左折と続けるので
イライラした。というような話をかいていて、少し笑ってしまいました。
便利ですけど、なくても大丈夫かな・・・というもの、結構ありますね!
我が家はまだFAXもないですし、ビデオも撮ったことがないです。肉眼&写真ですね~。
運動会で、ビデオに収めようと必死に場所取りをする保護者の気持ちも
分からないでもないんですけどねっ!

直のコミュニケーションが減っているというのはあると思います。
今回のETC導入で、我が家もようやくETCをつけましたけど、
旅先の最寄りのICで、道を聞いたり(カーナビないので^^)、お疲れ様です~とか
言われて、あ~帰ってきたなあ。と思ったりと、料金所のおじさん&おばさんには
お世話になっていたのに、それもなくなってしまいました。

上の娘のお友だちは携帯を持ち始めたので、娘も欲しいなあ~とたまにいうことも
ありますが、もう少し・・・と思っています。
便利だし、安心だし、メールもいいですけどね。
最近、エコ、エコと言われていますが、(今日もキャンドルナイトだし)
ちょっと使うのを控えるとかして、ない頃に戻ってみることも必要かもしれませんねっ。
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by arinko-mama | 2009-06-21 17:10 | 読書

「12歳の空」 三船恭太郎

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小学館主催の12歳の文学賞第二回大賞受賞の三船くん。
その風貌は、マルコメみそのCMにでてきそうな、かわゆい男の子。
でも、作家デビュー。ってすごいですね!

娘にも12歳の文学賞をまとめた本を読ませていて、大賞の子、作家になったらしいよ。
と教えたところ、すぐにその本が欲しい!と言い出し、
近くの書店2軒に聞いたところ、取り寄せに時間がかかるとのことで、
楽天ブックスで買ったのでした~。早かった!!

10歳の娘には理解できない言葉などもあったようですが、自分とそれほど年が
違わない男の子がこんな長い小説を書くことができ、それが本になってしまうことに
驚いた様子でした。
こんなこともあるのだと、希望がもてますね、いい企画だと思います!

いわゆる児童文学で、大人が小学生の気持ちを上手に表現していて、すごいと思った
ことはよくあるけれど、これは本当の等身大の少年が書いているだけあって、
とてもリアル。そして構成がうまいです。
せりふ運びなどに、あ~やっぱり小学生。と思うこともあるけれど、何でそんな言い回しを
知っているの?と驚かされる知識の量には脱帽です。
本をたくさん読んでいるそうですけど、それだけで、こんな本が書けるのかな~。
とにかく、小学校高学年ってこんな感じだったよね~。(こんなにきれいな友情は
経験していないけれど)と懐かしく思い出してしまいました!
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by arinko-mama | 2009-06-20 02:08 | 読書

「草すべり その他の短篇」 南木佳士

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20代のOLの頃、定年まじかの上司が、「朝起きると、あ~今日も無事起きられたと思う。」と
話していたのを聞き、とても驚いた。
だって、まだ60前なのに、そんなことおっしゃらないでくださいよっ。と。
そのことをふと思い出しました。

作者と同じ医師の主人公は、職業柄、末期患者の死亡診断書をたくさんかくうちに、
パニック症候群からうつ病を患い、少しずつ改善しつつある。
50代になって山登りをはじめるが、ある日、高校時代の同級生、沙絵ちゃんから
一緒に浅間山に登りませんか。という誘いの手紙がくる・・・(草すべり)

浅間山は、一度軽井沢に泊まったときに鬼押出しを観光したことがあります。
ヒカリゴケも展示してあったような気がします。ものすごい自然のパワーを感じました。
50代、60代で登山を始める人が多いようです。
何か魅力があるのかな~?リュックを背負って、帽子をかぶって、同じような格好の
同じような年代の男女が楽しそうに登っている姿をTVでみたりします。

「山歩きは人生の復路に入ってから始めたほうが、より多くの五感の刺激をからだに
受け入れられる気がする」(旧盆)という一文がありました。
きっとそういう理由からなのでしょうね。あとは自分自身への挑戦、そして健康で
生きていることの確認、自然のすばらしさを実感するなど・・・
いつか夫婦で登るときがくるかしら?そんなことを思いながら読みました。

飼っていた猫が亡くなる日の描写に涙し、登山の途中におにぎりを食べるシーンが
おいしそうでうらやましかったり、バーベキューの炭のおこし方になるほどと思ったり、
登山で出会った人とちょっと一杯のビールを飲みながら語り合うひとときに
こういう出会いはおもしろいな。と思ったり、病気の体験談に将来の自分を思ったり・・・
きれいな言葉、味わいのある文章に浸ることができました。
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by arinko-mama | 2009-06-18 05:21 | 読書