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「十五少年漂流記」 志水辰夫 原作 J・ベルヌ

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ほぼ原作に忠実に、まわりくどいところをなくして書かれたとのこと。
おかげでとても読みやすく、ハラハラドキドキの一気読みでした。

主人公が全員男の子だし、子どものころの私には無縁の物語。
やっぱり女の子なので、若草物語やジェーン・エアなんかを読んでましたね~
でもサバイバルものの元祖みたいな作品で、すごい内容ですね。

十五人は年齢もバラバラ、人種や国籍も違う。対立は必至ですね。
それでも生き延びていくためには、力をあわせて心を一つにしていかないと
いけない。十五人分の食糧を確保し、気候に合わせて生活していくんですから
すごい知恵と労力がいります。

まだ中学生ぐらいの子どもたちなのに、その知識量と技量の素晴らしさに感動
しました。今の日本で、こんなことができる男の子たちはいないでしょうね。
ボーイスカウト出身の子どもたちなら少しは知っているのかな。
一人一人がその性格によって自分の持ち場の仕事を確実にこなしていく。
リーダーが的確に指示して、意見をまとめ、動かしていく。

ペンギンはおいしくなくて、カメやフラミンゴはおいしい。
アザラシの肉を煮て、浮いた脂で明かりをともす。
牛の木という木からはミルクが。そして砂糖かえでからは糖蜜がとれる。
なんて、全く知らない・・・
このまえ読んだ「死なないでいる理由」には、肉や魚がすでに食べやすいように
加工されてスーパーに並んでいることで、いろんなことがみえなくなっている
と書かれていました。

これまで人間はこういう知恵を一生懸命使って、みんなで助け合って生きてきた
歴史があるんですね。そして今がある。なんでも簡単に手にはいり、それほど
努力しなくても生活していける今の時代は、生きている実感が沸きにくいのかも
しれませんね。不便な生活に戻って、限りある資源を大事に使っていかないと
人間はこの地球に長く生きていけないという状況にきているんだな。と
この本を読んで改めて考えさせられました。

by arinko-mama | 2009-10-30 00:36 | 読書