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「死なないでいる理由」 鷲田清一

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新聞や雑誌に書かれていたものをまとめたもの。
現在は大阪大学の総長である鷲田さん。
臨床哲学は今の世の中に、とても求められている学問なのかもしれません。

若い人はなかなか未来に希望を抱きにくく、「見えちゃってる」状態なのだとか。
でも、一人一人人生は違うのだし、出会う人や運命によっていろいろな選択肢が
あるし、決して今から分かっているものではない。ということ。

この前、NHKでジブリの宮崎監督と養老先生の対談をみたのですが、
一日に死んでいく人の数が交番に表示されているけれども、
あれを数字ではなく、死体の写真にでもすれば、実感できる。と。
それと同じ話がこの本にも書かれていて、今の私たちは出産シーンや
人の死後の体の変化をじかに見る人は少ない。
魚や肉を自分でさばくとかもあまりないし、生きることの根本にあるものに
ラップ・フィルム越しにしかふれることができなくなってしまった。とのこと。

本当にそうですね。なかなか「生きることはこういうことなのだ。」とか
「死ぬというのはこういうことなのだ」と実感できる体験が出来ないんですね。
今こそ自分がそれをどう考えるか、みんなで話し合える関係が必要に
なってきている・・・。

学校でも命について考えたり、中学生が保育園に行ったりなど、いろんな試み
をしているようですね。ペットを飼ったり、お年寄りとかかわるだけでも
勉強になるんだと思います。
子どもたちが悩んでいるときに適切なアドバイスができるように、いろいろ
考えておかないといけないなあ。と思いました。

by arinko-mama | 2009-10-25 22:51 | 読書