「母」 高行健

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ガオ・シンヂエンと読むそうです。
2000年度にノーベル文学賞を受賞された作家さんです。

少し前に読んだ堀江敏幸さんの「彼女のいる背表紙」という本の紹介のエッセイで、
この中に収録されている「花豆」のブランコのシーンが印象に残ったので、
ぜひ読んでみたいと借りてきました。

中国の作家さんは読んだことがないので、新鮮でした。
全く分からないけれど、できるなら、中国語で読みたいくらい。
救急車の音を「ピーポーピーポー」と訳してあると、なんだか日本的で違和感があったので^^

表題作の「母」については、息子が今は亡き母親に語りかけるスタイルで
怒涛のように文が続くので、少し読みづらいところもありましたが、
「円恩寺」「公園にて」「交通事故」など、入りやすい短編もあり、
やっぱり堀江さんが読んでいるだけあって、とてもきれいな文章でした。

「交通事故」が一番好きです。バスと、自転車に子どもを乗せた男の人が接触して、
交通事故。男の人が亡くなり、子どもは助かる。バスの運転手は捕まるのですが、
その事故現場の様子を時系列的にいろんな角度から追っていく。
それだけなのですが、とても細かく、映像的な描写で、周りのやじ馬の会話などから、
人の命のはかなさや、それをみる人々の感情が伝わってきて、
事故処理が終わった後は、何事もなかったかのようにまた日常が戻るところなど、
子どもを持つ母親としては、考えさせられるところがありました。

本から本へ、いろいろな出会いがあることがうれしいです。堀江さん、ありがとうございます!
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by arinko-mama | 2009-07-24 00:44 | 読書