「ボルドーの義兄」 多和田葉子

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数年前に「容疑者の夜行列車」と「犬婿入り」を読んで、その難解な不思議ワールドが
逆に強烈で、多和田さんの魅力なのかな。と思いました。久々に読んでみました!

装丁がいい感じ。栞のボルドー色がとてもきれい!
本の側面や上・下面(この部分のこと、なんて言うんでしたっけ?大学の授業で習ったような・・・)
も蛍光ピンク。読んでいて楽しくお洒落な気分になりました。

優奈はハンブルグ在住。フランス語を学びたいとレネに言うと、レネの義兄モーリスの家が
夏の間空き家になるので、ボルドーに向かう。
優奈は、たくさんの出来事を記録するため、漢字を一文字ずつ書く。
その漢字が反転して段落の前にポン。と置かれているので、なんとなく見てしまう。
で、なんという文字かな。と頭の中で回転させてから読み始める。なんだか面白い。

私は留学経験がないので、外国語を口に出して話すということはほとんどないけれど、
その言葉を始めて口にして、通じるという喜びはすごく新鮮なものでしょう。
大学でフランス語を学びましたが、文法が難しく、フランスの人はどうしてこんなに難しい
文法をサラサラと操れるのか。と感心しました。
男性名詞や女性名詞があるところは素敵ですね。

P84に、ボルドーという名前が好きで、特に最後のxが好き。その前のeauも好き。という
表現がありますが、そういう感覚はなんだか分かるなあ・・・
ワインのラベルの文字とかなんだかきれいだったりしますね。

日本語についても、形が好きとかありそうですね。よく外国人が日本の漢字のTシャツを
着ていたりして・・・好きな漢字を自分の子どもの名前に入れたりすることもあるし。

「ずっと勉強を続けていくためには柔らかいままでいなければだめ。」というレネの言葉。
語学の勉強から離れてもう何年も経っているなあ。なんて言葉についていろいろと
考えさせられた一冊でした。
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by arinko-mama | 2009-07-03 23:27 | 読書