「薬屋のタバサ」 東直子

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母親が当時流行っていた「奥さまは魔女」と同じタバサという名前をつけた男性。
薬屋を営むタバサと一緒に暮らし始めた由実。
ただし、記憶がおぼろで、自分がなぜこの町にきたのかという理由が分からないまま。

裏庭の草を薬に用い、薄い薬方紙を一枚ずつめくりながら、調合した薬をつつむタバサ。
その薬を飲んだ患者がやがて一時的に元気になったかと思うと、亡くなってしまう。
タバサへの謎は深まるが、彼を慕って薬を処方してもらう客は多く、由実も彼の魅力に
ひかれていく・・・。

母親の供養のために、3色の豆を似て、それを池に投げるという、儀式めいたことを
するシーンがありますが、タバサと由実の間で交わされる会話と、その儀式の行為の
流れるような表現がとてもきれいで、不思議な世界でした。

最後まで、いろいろな謎は分からないまま、夢をみているかのようにふわふわと漂うまま、
物語は終わってしまいます。余韻が残り、この後、どうなるのか、先が読みたくなるような、
なんだか魅力のある文章でした。
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by arinko-mama | 2009-06-29 01:32 | 読書