「夜の鳥」 トールモー・ハウゲン

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基本的にハッピーエンドが好きな私ですが、この本はなかなかそうなりません。
現実ってきっとこんな感じなんだろうなあ・・・

中学校の教師として働くお父さんは、生徒が怖いといって、仕事をすることができない。
ふらーっと出て行ったまま帰ってこない。精神科のお医者様のところにもなかなか行かない。
近所の人に会うのが怖い・・・ともいう。
一方、お母さんはなかなか決めることもできずに帰っていくお客を相手に、好きでもない
ブティックで働いている。自分の夢は別の場所にあるのに、夫は精神的にまいってしまっていて、
家に帰っても疲労感が漂うだけ・・・

そんな両親と一緒に暮らすヨアキム。夜になると、鳥がざわめく。
将来、自分の家族はどうなってしまうんだろう・・・と不安でいっぱいなのだ。

小さい頃、両親がちょっとしたことでケンカをするのをみるだけでもとても悲しい気分に
なったのに、ヨアキムのような両親だったら辛すぎる。
ヨアキムには自分の不安を話したり相談できる兄弟や友達や大人もいない。

「自分が何人もいたらと思うことがあった。ただ、「今日はきみたち三人と遊ぼう」と言うだけで、
もう三人ヨアキムがふえるのだ。そしたらどんなに楽しいだろう。 みんなよく似てるので、
ケンカすることもないし、同じ遊びをしたがるし。」
という一文が一番心に響いて、泣きそうになった。

大人になってからも、こんな風に思う人って、結構多いかもしれない。
自分の身のまわりの環境がつらすぎて、それを口に出すことができないまま、
不安を抱えて孤独に生きる。家に帰っても楽しくないし、かといって、正直に語り合う友もいない。

この後、家族はどうなっていくのか。続編は図書館にないみたい。いつか読んでみたいなあ。
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by arinko-mama | 2009-06-23 03:20 | 読書