「ひなのころ」 粕谷知世

a0020440_073295.jpg
かすやちせさん。
入試問題や塾の問題にも取り入れられている作品のようです。

少し前の時代の日本家屋。瓦葺き木造二階建て。周りは田圃。
季節の移り変わりを肌で感じ、地元地域の人々との関わりの中で育つ少女、風美。

風美四歳の春、、十一歳の夏、十五歳の秋、十七歳の冬の4つの章です。
最初の四歳の春の章が一番好きです。
風美がこの家や周りの人にもついろいろな感情。お雛さまとの会話・・・

このような日本家屋に住んだことはないけれど、祖母の家にあるちょっとした置物、
写真、時計、お手洗い、納戸、お仏壇・・・いろんなものがちょっとだけ怖かったことを
思い出します。

そして、父親は忙しく、母親はいつも病気がちの弟の世話に追われ、祖母は怒ると怖い。
誰も私のことを愛してくれていない。寂しい風美。

その後、この感性豊かな風美がどんな風に成長していくんだろう?と興味をもちます。
風美が年齢を経るにつれて、反抗期やもやもやした中学生時代を経た後、
少しずつ自分が育った環境や、家族について理解して、成長していく姿を
ずっと追い続けていく形式になっています。

その年齢によっての心の変化がとても上手に描かれていて、
そうそう、こんな風に感じていたなあ~。と自分が経験した感情を思い出しながら
丁寧に読みました。竹取物語のエピソードや、時々みえる女の子の幽霊の話、
お祭りでのエピソードなど、日本特有のファンタジックな世界もちりばめられていて、
おもしろかったです。
[PR]

by arinko-mama | 2008-09-18 00:38 | 読書