驟り雨(はしりあめ) 藤沢周平

a0020440_10114617.jpg祖母や父やパパが好きで読んでいるのをみていたけれど、
実は初めて。藤沢周平さん。
映画でみた「たそがれ清兵衛」はよかったなあ。

これは短編集で、10コのお話が入っています。
江戸の町を舞台に繰り広げられる人情ばなし。
どの主人公もいろんなものを背負っているのに、懸命に生きている。

印象に残ったのは「うしろ姿」。
酔うといろんな人を家にあげてしまう奇癖のある六助。
ある日、腰が曲がった乞食のようなおばあさんをつれてくる。
家族で生活していくのに手一杯のところを、
妻のおはまと一緒に仕方なくめんどうを見続ける夫婦。
おばあさんは一向に出て行く様子もないので、お風呂に連れて行き、
きれいにしてやると、子供たちもすっかりなついてしまった。
そんな姿が六助の母に似ている。
本当は迷惑をしているのに、近所からは親切だと言われ、出て行けといいづらくなってきた。

娘のおけいの具合が悪くなり、困っていたところ、おばあさんが看病をしてくれ、
元気になり、ますますめんどうをみるしかなく、冬が過ぎて春がきてしまった。
その後、おばあさんのめんどうを見ているということで、お役所からお金がでた。
おばあさんはその金のことを知った後は、少々わがままを言うようになってきていた。
それでも出て行けということもできず、迷惑ながらもめんどうをみていたところ、
ある日、おばあさんを引き取りに家族の者がやってくる。
おばあさんの後ろ姿を見ながら、ほっとしつつ、姑に似ているなと思うおはま。

・・・と、短く終わってしまうのですが、会話や人物描写に、人間のいいところ、
ずるいところ、いろんな人間模様が描かれていて、おもしろいのです。
古い白黒の日本映画を淡々と見ているような、そんな雰囲気でした。
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by arinko-mama | 2005-11-25 10:12 | 読書