「55歳からのハローライフ」 村上龍

ずっといろんな村上龍さんの作品や、エッセイを読んできたけれど、
同じ人とは思えないぐらい、こんな作品も書けるのかと本当に作家さんとして
上手いなあと思わせてくれた一冊でした。一気読みでした。

取材もたくさんされたと何かで読んだことがあったので期待していたのですが、
本当にいろいろなタイプの方の人生を丁寧に描いていて、その心の中が
手に取るようにわかったし、どの主人公にも感情移入してしまう自分が
いました。

ペットロスの話で、奥さんが飼いはじめたペットが病気になってしまい、
その奥さんの気持ちがすっかり沈んでしまったり、いつも散歩に行っている
公園に行けなくなってしまったり・・・そんな姿をみていたご主人のぶっきら
ぼうだけれど、優しい人柄がとても心にしみました。
夫婦の間はコミュニケーションが必要ですが、子供がいなくなったり、
自分の趣味にお互い走っていたりすると、なかなか会話をしなくなったりして、
ますます溝が深まるばかり。でも裏返すと、お互いただ寂しかったり、自分の
居場所を求めて右往左往しているだけなんでしょうね。

親や子供、家族。大事にして、何か環境の変化が生じたときに備えて
心の準備をしていく必要があるんでしょうね。今は子育てで充実している時期
ですが、これからいろんなことが待ち構えているんだろうなあ、と10年後、
20年後を想像しながら読んでみました。同年代の方々におすすめの一冊です。
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by arinko-mama | 2014-12-14 17:05 | 読書