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「日本のリアル」 養老孟司

林業、漁業、農業、そして食の専門家の方々と養老先生の対談集です。
どの分野のお話を聞いても、いろんな学問とまじりあっていて、本当に
どんな分野で働くにしても、一生懸命いろんなことを研究したり、知識として
吸収していかなければいけないんだなあ、と改めて思いました。

九州にいたころは自然がいっぱいの場所で、それこそ虫がたくさんいて、
ベランダにも家にも虫がどんどんきて、たいへんだったのですが、
仙台に住んでからは、ほとんど虫をみかけません。
ちょうちょすらたまにみかけるくらいだし、セミもほとんどなきません。
そんな自然環境が少し寂しい気もします。
ミツバチがすくないのも、化学肥料のせいだという話や、山にダムを
作ってしまったことで、山の養分を川にながし、海へ伝えることが
できなくなってしまったということだとか。
問題はたくさんあるんですね。人間がいろいろなものをよくしてきた
つもりのものが、実は自然環境を悪くしてきたということなのでしょう。

でも、遺伝子的なもので、日本人の中には土地を耕して何かを育てたいとか、
自然にかかわりたいとか、そういう気持ちは絶対あるはずで、何も好きで
東京などの都会に出てストレスまみれで働いているわけではないわけで。
農業や林業、漁業で生活が成り立つのであれば絶対継いでいるんだと
思います。それが実際できないんでしょうね。

日本にもこんな風に長い時間をかけていろいろな工夫や研究をして
自分の仕事をよくしている人々がいるのだということ、そしてそれを
助けて、理解してくれる人々がたくさんいるということ、とても素晴らしい
とおもいました。この本を一人でも多くの人に読んでほしいです。

by arinko-mama | 2014-04-25 16:57 | 読書