「火山のふもとで」 松家仁之

新潮クレストブックスシリーズのような、堀江敏幸さんの作品のような。
と思っていたら、クレストブックスを創刊させた方だったんですね。

設計事務所の話なので、建築のことをもっと知っていればより深く
読めたかもしれませんが、浅間山あたりは一度観光で行ったことがあるので、
少し風景を思い浮かべることができてよかったです。

夏の間だけ、火山のふもとに事務所をうつして仕事をするなんて、ちょっと
おしゃれな感じ。食事なども当番制になっていて。
小さいアットホームな感じの事務所なんですね。
食事の内容もなんだかおいしそうでおしゃれ。
停電になっても、あわてることなく、燭台のろうそくをともして、そのあと
自家発電。 きちんと災害のことも考えられてつくられた建物なんですね。
そういうゆったりした感じもとても素敵でした。

海外文学以外で、日本人作家でこういう静かな感じの五感をフル回転
させるような文章はなかなかなくって、最近は会話の内容も現代的というか
こんなこと、本当に今の若い子たちって口にするのかな?と思うような
内容のものが多くってちょっとついていけないこともあるけれど、この作品は
時代も少し前の話だったりするんで、久々にきれいな文章を読んだなあという
気がしました。時間がゆっくりある人におすすめです。
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by arinko-mama | 2014-01-07 21:25 | 読書