「なずな」 堀江敏幸

堀江さんの「雪沼とその周辺」を初めて読んだ時、すごく日本語の表現の仕方が
きれいで、詩的で、絵が浮かぶような描写にknock outされてしまいました。
ただあまりにもきれいすぎて、ゆっくり読みたくなるので、堀江さんの本は
時間のあるときではないと・・・と最近あまり読んでいなかったような。

「なずな」は437Pもあって、正直読み終わるのに時間がかかるだろうと
思っていたのですが、40代の独身男性が弟夫婦の赤ちゃんを預かるという
設定が面白くて、どんどん読み進むうちに2日ぐらいで読み終えました。

コメディタッチではなく、本当に真面目に、一生懸命赤ちゃんの世話をしていて、
私も一人目のときはまだ20代後半。仕事をやめてすぐだったし、子供なんて
興味がなくて、赤ちゃんも苦手で、育児書読んでも全然ピンとこなくて。
でもいざ自分の子どもが目の前に泣いていると、とにかく何かできることは
ないのかと、手探りで懸命でした。その時のことを思い出しました。

初めての授乳、初めてのおむつかえ、初めてのベビーカー、初めての外出。
本当に気を使うことばかりで、母に手伝ってもらったり、主人と相談して
何だかんだとやってみたり、寝顔をみると一安心したり。赤ちゃんを連れて
いると、周りの人が声をかけてくださったり、あたたかくしてくださったり、
世界も広がって、世の中の見方も全部変わりました。子どもが好きになり、
動物や自然、人間そのものも愛おしくなって、不思議でした。絵本も好きに
なって、子供のニュースに涙を流したり。そんなこれまでの歩みを振り返って
しまいました。とてもいい小説でした。みなさんにもぜひお勧めです!!!
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by arinko-mama | 2013-06-03 09:46 | 読書