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「さまよう刃」 東野圭吾

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読み進めるのが途中でしんどくなってしまうほど、重い内容でした。
自分の家族が加害者で、その家族の気持ちを扱ったものは
いくつか読んだことがあったのですが、
被害者の遺族による犯人への復讐というテーマはたぶん初めて
だったのでは。と思います。

加害者やその仲間からみた事件、被害者の遺族からみた事件、
そして警察からみた事件、マスコミからみた事件、マスコミの
報道を見聞きした人々からみた事件。
一つの事件をいろんな方向からとらえて、何が正しくて、
どうすれば終わるのか。とても考えさせられました。

自分の家族が何かの事件に巻き込まれてしまったとして、
そのあとどう気持ちの整理をつけたらいいのか・・・
計り知れないものがあります。

自分の中にあるもやもやした気持ちを話すことができるような
信頼関係にある大人と、きちんとした人間関係が築けていない若者が
そのまま大人になって、愛情を与えられずに、いろんなことが
思うようにいかなくなったときに、どうでもよくなってしまって事件を
おこすパターンが多くなっている気がします。

子供たちに愛を。そして、自分は愛され、大切に育てられていることを
知っていれば、他人にも思いやりをもって接することができるし、
どんな困難にぶつかっても強く生きていける。そう思うのですが、
あまりにも傷つけられることが多すぎる・・・ちょっと今の世の中を
みていてそんな風に感じます。気をつけて子育てしないといけないな。
・・・とまた、いろんなことを考えてしまいました。

by arinko-mama | 2010-12-16 14:20 | 読書