ゾマーさんのこと

a0020440_172740.jpgパトリック・ジュースキントという作家の児童文学とも大人向けともいえる作品。この作家の「香水」っていう本を読みたかったのですが、その前にこれを図書館で見つけてしまいました。薄いし字も大きいので、すぐ読めてしまいます。

少年「ぼく」の町に住んでいるゾマーさんは、いつどんなときでも常に歩いている。リュックサックとステッキをもって。でも誰もその理由を知らない(クラウストロフォビアという部屋にじっとしていられない病気らしいと少年の両親は言っているけれど、真相はよく分からない)。ぼくが成長する過程でいろんな経験をする間、ゾマーさんはいつでも歩き続けている。そんなゾマーさんがある日湖へ・・・。ぼくは”その瞬間”を目撃するのだけれど、誰にも言わないまま、町の人々はゾマーさんのことを忘れていく。

ゾマーさんの不思議、孤独、ゾマーさんへの恐れ。大人への興味や得体の知れない怖さが伝わってきます。ミステリでも、サスペンスでもないし、のんびりした風景の絵も素敵なのに淡々と狂気が伝わってくる感じがたまりません。子供の頃、こんな思いをしたなあ。となんとなく思い出す感じ。「香水」がますます読みたくなりました。
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by arinko-mama | 2004-10-02 17:17 | 読書